歌唱時に自分の意思で動かせる身体の部位は限らています。
違う部位同士を連動したり、同時に動かしたり、又は独立して動かしたり。
その動かせる部位を自分の意思で動かせるようになることで、自由自在に歌えるようになります。
今回は、顎と舌にフォーカスしたシンプルな練習法をご紹介します。
- 舌と顎がくっついてしまっている?
- ヤ行を使おう
- ヤ行を使って舌の動きを確認
- ヤ行を使って舌のストレッチ
- まとめ
顎の動きに連動することでしか舌を動かせない方がかなり多いです。
これは、顎の動きに舌が依存しているということですが、これは、舌がとても硬くて動かすのが困難なのが主な原因なんですね。
理想としては、顎の動きに依存せずに舌のみを自由自在に動かせること。
舌の根っこである舌根と喉は物理的にくっついているので、舌の動き方次第で喉の上げ下げなどの動きが変わります。
その舌の動きが顎に依存してしまっていると、喉までもが顎に依存しているということになります。
発音によって口の開け方が変わり、それによって顎の動きも変わってくるという事実がある以上、話す時、歌う時にかなり不自由になる発音が必然的に出てきてしまいます。
それを阻止するために舌と顎を分離して動かせるようにしましょう。
顎を動かさずに舌のみを動かせるようになることが重要です。
自分がどれだけ舌を動かせるかを確認するのに最適な発音はヤ行です。
ヤ行を使って舌の動きを確認
まずはヤ行を高速で発音してみましょう。
顎はしっかり動かないように固定し、体感としては、舌のみを動かしてヤ行を発音してみましょう。
限界はありますが、口を縦に開けば開くほど、より大きな舌の動きが要求されるので難しくなります。
どれくらいヤ行を高速かつ正確に発音できるかが鍵となります。
や、い(yi)、ゆ、え(yea)、よの中で発音しにくい物があればそれが苦手ということになるのでトレーニングが必要です(舌が顎とくっついているというより舌が硬い可能性が高い)。
ヤ行を使って舌をストレッチ
舌を出せるだけ出してヤ行を言ってみましょう。
この時にしっかり意識したいことが3つあります。
- ヤ行を発音すると同時に舌全体が引っ込まないようにする
- ヤ行をしっかり発音する
- 顎を動かしすぎない
舌が硬い殆どの人がヤ行をしっかり発音しようとすると舌が引っ込もうとします。
それを舌を引っ込まないように意識するとヤ行がしっかり発音できません。
これをヤ行をしっかり発音しながら舌全体を引っ込まないようにするという対抗する動きなのですが、これがかなり難しい。
動画を見ていただくと分かるかと思いますが、舌先が動かず、舌の中腹あたり(舌背)がウネウネしています。
舌の根っこが奥に引っ込もうとするのに舌先が対抗することでこの動きが生まれます。
少し上手くなってきたら、この舌背のウネウネを自分の意識で大きくしてみましょう。
ヤ行を発音しているから動いているというレベルから、自分の意識を通わせて動かしているというレベルにステップアップすることで、より自由自在に舌を動かせるようになります。
上手くできなくても舌の軽い運動やストレッチになるので、実施したあとは、声が通りやすい感覚を持てます。
①顎と舌がくっついてしまっている
- 舌根と喉が繋がっていているという構造上、顎の動きに舌が依存してしまっていると喉も顎に依存しているというということになる。
- 舌の硬さが主な原因なので、柔軟性を増して自由自在に動かせるようにすることが必要
②ヤ行を使って分離
- ヤ行を使って舌の動きを確認
- 口を開き顎を固定
- どれくらいヤ行を高速かつ正確に発音できるかを確認
- ヤ行を使って舌をストレッチ
- 舌が引っ込まないようにする
- ヤ行をしっかり発音する
- 顎を動かしすぎない
どうしても発声そのものにフォーカスする方が多いと思いますが、発声を疎外しているものを取り除くことは、発声のレベル向上を目指す上で避けては通れません。
舌を独立させることは、自由自在に歌えるようになる近道なので、是非やってください。