ミックスボイス ができるまで  ミックスボイス習得に最低限必要な条件

皆さん高い声を自由自在に操れたら最高ですよね?

近年は、高音を駆使するアーティストが出てきまくっているので、ボイトレ界では高音発声の習得の需要は一番高いです。

そこでキーワードとなるのがかの有名な

ミックスボイス

最近はこのミックスボイスというワードが一人歩きして

「高音出すならミックスボイスでしょ!」

と真正面から立ち向かっていって散っていこうとしている方を何人も見てきました。

今回は、ミックスボイス習得するのに最低限必要な条件を紐解いていきましょう。

この段階をスキップしてしまう方がかなり多いのですが、

いい声を出せる様になりたい方は、絶対に避けないでください

ミックスボイスとは?

ミックスボイスとは声区です

英語で言うとRegisterです。

超絶簡略化すると以下の図のような感覚です。

両端に地声という声区があり、裏声という声区があります。

この間をつなぐ声区がミックスですね。

【参考音源①:声区融合】

参考音源①の様に、声区をひと繋ぎにして発声できるようになるのが、ボイトレにおける1つのゴールだったりします。

ある流派では、このミックスに入る部分をブリッジ(橋の意味)と呼んだりもしますね。

そうです、橋をかけるんです。地声と裏声に。

地声という島と裏声という島をつなぐ架け橋となりたいのです。ミックスボイスは。

そのそれぞれ2つの島が、埋め立てし始めの状態のような、島にもなっていないペラッペラの状態だと橋なんて架けられないんですよ。

地声と裏声という島を揺るぎない大地にしてやることが、強固な橋をかける前に僕らができることなんです。

要するに、両方ともしっかり質にすることが大切。

そう、ここからが本題。

ミックスボイス習得に最低限必要な最初のステップ

地声と裏声を分ける

「おいおい、ここまで読ませておいて何言ってんだ?分かれているから困り果てて検索してるんだぜ。この髭ダルマ」

と思った方は考えを改めてください。この髭ダルマは言い過ぎです。

個人個人のレベルにもよりますが、最初から声区を全部繋げようとしないというのが鉄則です。

地声と裏声では使う筋肉が違うので、それぞれ純度100%の声を抽出してトレーニングした方が、効率がいいんですよ。

繋げるのは、分けた上で地声と裏声をそれぞれ盤石にしてからです。

分けることができず、知らぬ間に地声と裏声が絡まっているという症状を発症している人は結構多いです。

  • 裏声出しているのに地声がくっついてくる
  • 地声を出そうとしても裏声がくっついてくる

メチャメチャのどを上げている状態(ハイラリンクスになり過ぎ)で歌う癖がある男性は、裏声の出し方がそもそも分からないというお話を聞くことも比較的多いです。

女性の場合は、裏声で話しているのにご自身では気がついていないということがあったりします。

実際に分てみよう 地声編

まずは地声を出してみましょう。

音程を使わずに自分がどの程度地声を出せているのかを話し声レベルで測るやり方があるのでご紹介します。

まずはa,e,i,o,uと発音してみましょう。

参考音源②:しっかりした地声の母音】

出来ていると判断する材料として

  • 母音が鋭いか
  • 発音した際に喉に軽い衝撃があったか(発声の際に一瞬だけ声帯に引っかかる感覚がある)
  • 息が漏れていないか
  • 逆に出す時に無理やり絞り出していないか

全ての母音でしっかりできていればOK

逆に母音によってばらつきがある場合は、その発音で地声が出しにくいか、母音の発音が苦手ということになります。(こちらに関しては、別の記事で公開予定です)


参考音源③:鋭くはないけれど地声ができている

母音が鋭くないですし、声帯に引っかけている感覚はありませんが、しっかり地声です。

参考音源②と参考音源③は、歌の中で使い分けられるとニュアンスに変化を加えることができるので、両方習得しましょう。


最も髭の範囲が広い時代

「やってみたけどこれであっているのか?」という方のために、改善の余地がある発声例の参考音源をタイプ別に用意しました。


参考音源④:息もれがエグい】

ちょっとわざとらし過ぎますかね?

かなり息が漏れていて,ほぼハ行なんじゃないかという勢いです。


参考音源⑤:絞り出し過ぎ】

地声出せてるけど、これだと歌う時に支障が出てしまいますね。


音程をつけよう

次に音程をつけてやってみましょう。

しっかりできているかの判断材料は、同じなので、こちらから取り組んでもOKですが、

少し感覚として勝手が違ってくるかなと思います。

男性の場合はD3-E4あたりで

女性の場合はA3-G4あたりでやってみましょう。

最初は出しやすい音程でやるのがいいでしょう。

【参考音源⑥:地声 C4】


少し強化の方に偏ってしまうのですが、できる方は以下の参考音源⑦にトライしてみてください。

分離の段階でこれができればなおベターです。

【参考音源⑦:Moで地声(アンザッツ3a)】

地声を出しやすい子音として、ナ行、マ行、バ行が代表的です。

ここではマ行を使いましたが、より強烈な地声を出したい場合はバ行を使うと良いでしょう。


実際に分てみよう 裏声編

次に裏声です。

純度100%の裏声は、歌の中で使えるか?と言われたら使えません。

息ダダ漏れで3秒ももたないのでフレージングができないんです。

しかし、発声の質をあげる為の機能としては必要なんです。

発声できる音域が狭いのが特徴で、せいぜい1オクターブが限界です。

その中で出しやすい音程は、それぞれですが、G4A4あたりで先ず試してみるといいです。

まずは参考音源を聴いてみましょう。

【参考音源⑧:純度100%無添加な裏声 Hu E4】

G4かA4で試してと書いたにも関わらず、E4でやってしまいました。

発音は確実に息漏れが発声するHの子音を使いましょう。日本語で言うとハ行です。

全く強いテンションがなく弱々しいですよね。

これが純度100%無添加の裏声です。

最初は、息が最初に出てきてから、遅れて声が出てくる現象が起こるかと思いますが、上手になってくると、同時に出てきている様に聞こえるくらいまで持っていけます。

音質としては、瓶の淵に息を吹きかけた時に鳴る音に近いと言われています。

上記の通り、この声ではフレージングが難しいので、歌の中では使えません。

僕はC5越えたあたりでこの息ダダ漏れの裏声では、ちょっと力が入ってくる感覚があります。

力が入ってきたなと感じたら、その音より低い音で発声してください。

高過ぎて力が入ってくるから全然ダメというわけではなく、そういった性質を兼ね備えた発声なので、むしろ正しいと思っていただいてOKです。


【参考音源⑨:裏声のよくない例】

完全に過緊張ですね。

地声という添加物が裏声の素材の味を邪魔しています。

力んで喉が上がり過ぎてしまう人なんかは、こんなサウンドになります。

そもそも裏声の出し方が全く分からないと言った方も多いんじゃないかと思います。

そんな方のために、裏声を1から作るための記事を公開しました。

ここでは裏声を出しやすくするコツを一つ紹介します。

左の様に唇を尖らせ、唇で声を慣らす感覚で発声できると、喉に力が入らなくなることがよくあります。

左の写真の様に唇を尖らせ、唇で声を慣らす感覚で発声できると、喉に力が入らなくなることがよくあります。顔の力も緩めることができています。


逆によくない例を

唇を尖らせることはできていますが、顔全体が連動してしまい力が入ってしまっていますね。唇と表情筋などを分離して動かせると良いです。


まとめ

先ずは、地声と裏声を分けることが大切です。

最初の方にも書きましたが、地声と裏声では使用する筋群が違うので、純度の高い状態でそれぞれ抽出することが必要です。

抽出ができたら、地声と裏声をそれぞれゴリゴリに鍛えていくだけです。

そのベースがあって初めて色々な発声技術を上乗せできるので、

いい声を出せる様になりたい方は、絶対に避けないでください

発声の記事は段階的に更新していく予定です。

次回は、裏声の抽出方法です。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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