ミックスボイス ができるまで Step②ピュアファルセットの出し方  ※動画付き

ミックスボイス を会得する上で、裏声の質向上はマストです。

裏声を司どるのは輪状甲状筋群なのですが、効率よく刺激を与えるために使用するのがピュアファルセットです。

そして…

ピュアファルセットができる=地声と裏声の分離の成功

と言っても過言ではありません。

ここで言うピュアファルセットとは、こちらの記事で書かせていただいた、純度100%の裏声のことです。ただ英語か日本語かと言う違いだけです。

日々レッスンをやっていて思うのですが、日本人は裏声が出ない人が諸外国と比べても多い気がします。

それは、やはり地声らしさを存分に発揮した高音を駆使するアーティストが増えてきたため、それを模倣しようと地声をプッシュしすぎて過緊張に陥ることが一番の原因と考えています。

それに裏声は悪という風潮も少なからずあるかと思います。

そうです。裏声という文化が根付いていないのです。

質の高い裏声は、過緊張とは無縁です。

過緊張を排除するためにも裏声にフォーカスして練習することは重要です。

ピュアファルセットの特徴

ピュアファルセットの特徴は以下の通りです。

  1. 芯がない
  2. ため息のように息漏れが多いのでロングトーンできない
  3. 音程をキープしづらい(というよりしなくて良い)
  4. 男女共に大体1オクターブ内に収まる(B3,C4あたり〜B4,C5あたり)
  5. 瓶の口の上に息を吹きかけたような音になる
  6. 歌唱中は全く使えない

歌唱中全く使えないなら練習する意味あんのかい?と思う方もいるかと思いますが、輪状甲状筋を鍛えるという目的が全てなので、その点にフォーカスすると非常に重要な機能です。

言い方を変えれば、輪状甲状筋を鍛えるためだけに存在する練習方法だと思ってください。

まずは参考音源を聞いてみましょう。

芯が徹底的に排除されていますね。物凄い息漏れです。

男女共に裏声の中音域G4〜A4あたりでトライしてください。

高音で取り組んでしまうと、過緊張になり、低音で行った場合、地声が介入してきてしまう可能性があるからです。

低音域にトライするのは、中音域が盤石になってからにしましょう。

せいぜい伸ばせても2秒くらいです。伸ばそうと頑張らなくていいです。

出し始めの音程よりもやや、下降線を辿って低くなることがあるかと思いますが、音程をキープしようとして力んでしまう可能性があるので、音程が下降してしまっても気にしないでください。

サウンド的にはStep①のため息に声を乗せるに近い声ですね。

地声が介入してきやすい低音域で意識的に裏声を使えるということは、地声と裏声をしっかりと分けて使いこなせているという何よりの証なので、中音域でのピュアファルセットを会得したら必ず取り組んでください。

まとめ

ピュアファルセットの特徴

  • 芯がない
  • ため息のように息漏れが多いのでロングトーンできない
  • 音程をキープしづらい(というよりしなくて良い)
  • 男女共に大体1オクターブ内に収まる(B3,C4あたり〜B4,C5あたり)
  • 瓶の口の上に息を吹きかけたような音になる
  • 歌唱中は全く使えない

輪状甲状筋を効率良く鍛えるために存在している

裏声にも様々な種類があり、今回は輪状甲状筋に効率よく刺激を与えることのできるピュアファルセットについて掘り下げました。

地声と裏声を分けることが重要とこちらの記事で言及しましたが、このピュアファルセットが出せればミックスボイスを習得するために必要な地声と裏声の分離は成功です。

次回は、裏声を支える方法です。

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